この十数年、我が家のクルマは外車ばかり(独車5台、仏車1台)。
我々のことを「外車好き」と思っている人は多いだろう。
だけど実際のところ、「外車好き」でも「ブランド志向」でも、全然ない。
私は小学生の時からファッションに興味があって、今でもおしゃれ大好き人間だけど、ブランド物だから買うということはまず無いし、まぁ、ブランド物なんてほとんど持っていない。(自慢にならんけど(^_^;)
高校生の時に巻き起こったDCブランドブーム。
学校の廊下(うちの学校は私服)をDCブランドでかためた後輩達が闊歩してくる姿には、正直閉口した。
まさに“服が歩いてる”って感じだったし、高校生でそんなもの何で買えるの?と考えると・・・ちょと恐い。(^_^;
その後のバブル時代の輸入ブランドブーム。
猫も杓子もヴィトン!ヴィトン!には・・・「おばはんクサイ柄が許せん!」と見向きもしなかった。
(今でこそポップな柄もあるけど、当時はあの茶色地の伝統的な柄だけだったんだもん。たぶん。)
クルマにしても、大学で「○○くん、今日ベンベで来てるんやって♪」と、ゾロゾロ見に行く女の子達を「どうせ親の金じゃん。自慢になるかよ。」と、冷めた目で見ていたへそまがりな奴である。
・・・と、前置きが長くなったが、そんな奴がなぜ外車を買うのか。
それには、こんなキッカケがあった。
我が家に初めて外車がきたのはベンツのワゴンだった。
その前は、初代レガシィ ステーションワゴンに乗っていた。
しっかりしてるし、運転しやすいし、高速走行もめっちゃ安定してるし、二人ともすごく気に入っていたクルマだ。
だが、7年目ぐらいだろうか、走行距離10万kmを突破したら、途端にガタがきたのである。
さぁ困った! 気に入っていただけに、次のクルマ探しが難しい。
新しいレガシィを見に行くも「前の方が良かったやん」とガッカリ。
当時は仕事(コンピュータ関係)でワゴンが必要だったので、とにかく各メーカーのワゴンを物色してまわったが、どれもピンとくるものがない。
そんなある日、ダンナがすごく控えめに「ベンツ・・・見に行けへん?」と言ってきた。
「はぁ?ベンツゥ〜??? なんでまた・・・」
「○○さん(取引先の中古車屋)に、買えへんかって、勧められてんねん。」
「え〜〜〜〜 ベンツをぉ〜?」
当時の私にしてみたら、ベンツなんて医者か●●●かぐらい、お金が余ってる人が乗るクルマというイメージしか持ってなかったのである。
「ベンツって・・・ こいつ何考えてんねん!」 が正直な心の声である。
しかし、あまりにもいつもと様子が違い、控えめな態度が気になったので、買う気はなかったが、とりあえず一緒に見に行ってみることにした。(えっ?それが作戦だった?)
店頭に並べてあるそれに乗ってみた。
エンジンもかけず、ただシートに座ってみただけ。
でも、でも、でも・・・何か違うぞ。
質感とか座り心地とか、そういうものではなくて、何か・・・何かが違う!!!
これは一体何なんだろう?
どうにもこうにも説明がつかないが、それは我々に何らかの変革をもたらすほど大きなものだと感じた。
二人とも興奮はしていなかった。
これを持つことによって起こるであろうデメリット(仕事が減るとか)も考えた。
まさに、新しい世界へ踏み出す時の期待と恐怖、そのものだ。
そして意を決したのである。
・・・つづく